ハーブのプロフィールの要点とひっかけ(ハーブ検定 論点テキスト)
ハーブ検定1級・2級の「ハーブのプロフィール」にあたる20論点を、要点133本・ひっかけ84本にまとめました。
最終更新:2026年10月18日
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このページの論点
ローズ(1級)
1級で、ローズ(バラ)の使用部位・学名・精油の成分や収油率・ダマスクローズの歴史と香料用品種が問われる。
要点
- 香料や食用に用いられるバラは主に花(花びら)を利用し、同じバラの果実を利用するのがローズヒップである。
- 代表品種ダマスクローズの学名はRosa damascenaで、複数の原種バラの交雑に由来するとされる。
- 精油にはシトロネロール・ゲラニオール・ネロールなどの香気成分が多く含まれ、華やかな香りのもととなる。
- 精油は収油率が非常に低く、1グラムを得るのに数千個もの花が必要とされる。
- ブルガリアの「バラの谷」はダマスクローズの産地で、17世紀にダマスカスから伝わったとされる。
- 花を水蒸気蒸留すると精油とともに芳香蒸留水が得られ、「ローズウォーター」として化粧水などに使われる。
- ローズのハーブティーを長く蒸らすと、渋みや苦味が出やすくなる。
ひっかけ
- 利用するのは根・種子・茎ではなく花である。コーヒーの代用や繊維採取のためのハーブではない。
- ダマスクローズは交配を経ていない野生の原種ではなく、複数の原種バラの自然交雑で生まれた品種である。
- 精油の香気成分は、メントール・チモール・カマズレンを主成分とするものではなく、シトロネロールやゲラニオールなどである。
- ローズの水色は、ローゼルのような鮮やかな赤ではなく、淡いピンク〜淡い赤みにとどまる。
- 香料用のバラはダマスクローズ一種に限られず、ロサ・ケンティフォリアやロサ・ガリカなども使われる。
レモンピール
レモンピールの使用部位・科名・学名、精油の主成分と抽出法、原産地、味の特徴、素材を用意する際の注意が問われる。
要点
- レモンピールはレモンの果皮を乾燥させたもので、レモン系ハーブ4種のうち葉ではなく果皮を使うのはこれだけである。
- レモンはミカン科ミカン属の常緑樹で、学名はCitrus limonである。
- 未熟なグリーンレモンのほうが、熟した黄色いレモンより精油を多く含むとされる。
- レモンの果皮から得られる精油の主成分はd-リモネンで、精油全体の6〜8割を占める。
- 柑橘類の果皮の精油は、熱で劣化しやすい香気成分を保つため、熱を加えない圧搾法(コールドプレス)で得られることが多い。
- レモンの原産地はインド北東部のヒマラヤ山麓とされ、中東を経てヨーロッパへ伝わり、地中海沿岸で広く栽培された。
- 果皮の内側にある白いわた(アルベド)には強い苦味があり、抽出時間が長いほど苦味が増しやすい。
ひっかけ
- レモンピールの科は、レモンバームのシソ科、レモングラスのイネ科、レモンヴァーベナのクマツヅラ科ではなく、ミカン科である。
- レモンピールの学名は、Aloysia citrodoraやMelissa officinalis、Cymbopogon citratusではなく、Citrus limonである。
- レモンピールの香りのもとは、ミントのメントールやレモングラスのシトラールではなく、豊富に含まれるリモネンである。
- レモンの果皮の精油の主成分は、ミント類のメントール、セージのツヨン、ジャーマン・カモミールのカマズレンではない。
レモンヴァーベナ
レモンヴァーベナの分類と原産地、和名、香りの特徴、耐寒性、ポプリでの利用、レモン系ハーブの科の違いが問われる。
要点
- レモンヴァーベナはクマツヅラ科の落葉低木で南米原産とされ、17世紀にスペインを通じてヨーロッパにもたらされた。
- 和名にはコウスイボク(香水木)やボウシュウボク(防臭木)などがある。
- 葉に含まれるシトラール(ゲラニアール・ネラール)が、レモンに似た強い芳香のもととなっている。
- フランスでは「ヴェルヴェンヌ」と呼ばれ、カモミールやミントと並ぶ代表的なハーブティーの一つとして親しまれている。
- 耐寒性がそれほど高くないため冬に落葉し、寒冷な地域では防寒対策が必要になることがある。
- レモン系ハーブのなかで際立って強く華やかなレモン様の香りを持ち、少量でもよく香りが立つ。
- 葉を乾燥させても香りが長く持続するため、ポプリやサシェの材料として重宝される。
ひっかけ
- レモン系ハーブは同じ科や属ではなく、レモンバームはシソ科、レモングラスはイネ科、レモンヴァーベナはクマツヅラ科と科が異なる。
- レモンヴァーベナの和名は、コショウハッカ(ペパーミント)やキクニガナ(チコリ)、イヌバラ(ローズヒップの原種)ではなく、コウスイボクである。
- レモンヴァーベナの学名は、レモンバームのMelissa officinalisやレモングラスのCymbopogon citratusではなく、Aloysia citrodoraである。
- レモンヴァーベナのハーブティーに使う部位は、根や果皮、花ではなく葉であり、果皮を使うのはレモンピールである。
オレンジフラワー(1級)
1級で、オレンジフラワーの原料植物・花から得られる精油ネロリ・分類・ビターオレンジの木から採れる精油が問われる。
要点
- ビターオレンジ(学名Citrus aurantium)の花を利用し、甘くフローラルな華やかな香りが特徴である。
- 花を水蒸気蒸留して得られる精油が「ネロリ」で、溶剤抽出したものは「オレンジブロッサム」と呼ばれる。
- 「ネロリ」の名は、17世紀イタリアのネロラ公妃アンナ・マリアがこの花の香りを愛用したことに由来する。
- 一つの木から、花はネロリ、葉と小枝はプチグレン、果皮はビターオレンジ精油と、部位ごとに別の精油が採れる。
- ミカン科に分類され、検定対象の20種のうちミカン科はレモンピールとオレンジフラワーの2種である。
- ビターオレンジは「セビルオレンジ」とも呼ばれ、果実は酸味と苦味が強く、マーマレードの原料になる。
- オレンジフラワーウォーターは花を蒸留して得られる蒸留水で、焼き菓子やシロップの香り付けにも用いられる。
ひっかけ
- 原料はスイートオレンジやグレープフルーツの果皮、レモンの花ではなく、ビターオレンジの花である。
- 枝葉から採れる精油はネロリやオレンジブロッサム、ベルガモットではなく、プチグレンである。
- 「ネロリ」は、化学者の名やラテン語の「黒い花」、香水師の命名に由来するのではなく、公妃の愛用にちなむ。
- オレンジフラワーウォーターは、果汁を薄めた飲料や浸出液、着色用の液ではなく、花を蒸留した蒸留水である。
ローズヒップ(1級)
1級で、ローズヒップ(Rosa canina)の使用部位・成分・原料植物イヌバラの由来や歴史、近縁のハマナスが問われる。
要点
- バラ科バラ属Rosa caninaの果実(偽果)で、ビタミンCが豊富なため「ビタミンCの爆弾」とも呼ばれる。
- 甘い香りとほどよい酸味があり、酸味の強いローゼルとブレンドされることも多い。
- ビタミンCのほか、ケルセチンなどのフラボノイドやタンニンも含まれるとされる。
- 原料のイヌバラはヨーロッパ・北アフリカ・西アジアに自生する野生のバラで、秋に実る果実を利用する。
- 第二次世界大戦中のイギリスでは、ビタミンC補給のためローズヒップのシロップづくりが国を挙げて行われた。
- 種子を包む細かい毛には触れるとかゆみを起こす性質があり、ハーブティーでは毛をこして取り除く必要がある。
- 日本の海岸に自生するハマナス(Rosa rugosa)の果実もビタミンCが豊富で、ジャムや果実酒に利用されてきた。
ひっかけ
- 花びらを利用するのではなく果実を利用する。キク科ではなくバラ科で、特徴として挙がるのは鉄分ではなくビタミンCである。
- 無味無臭の引き立て役でも、強い苦味やミント系の清涼感が特徴のお茶でもない。
- カフェインやツヨンが主成分ではなく、pHで色が変わるアントシアニンはマローの特徴である。
- 「ドッグローズ」「イヌバラ」の名は、犬にしか食べられないことや花が犬の顔に似ることではなく、根が狂犬病の治療に使われたという言い伝えに由来する。
- ハマナスはキク科ではなく同じバラ科バラ属の別種で、果実のビタミンCも豊富である。
チコリ(1級)
1級で、チコリの分類と和名・根の利用・軟白栽培・花の性質・歴史・成分が問われる。
要点
- キク科の多年草(学名Cichorium intybus)で、和名はキクニガナ(菊苦菜)という。
- チコリもダンディライオンも、根を焙煎してノンカフェインのコーヒー代用飲料として利用される点が共通する。
- ほろ苦い味わいが特徴で、地中に長く伸びる直根を持つ。
- 光を遮る軟白栽培で、クリーム色のベルギーエンダイブ(ウィットルーフ)が育ち、苦味が抑えられて甘みが出る。
- 澄んだ水色の花は晴れた朝に開き正午頃に閉じる半日花で、「花時計」の一部に植えられることもある。
- ナポレオンの大陸封鎖令でコーヒーが不足したフランスでは、チコリの根がコーヒーの代用品や混ぜ物として広まった。
- 根には水溶性食物繊維イヌリンが豊富で、含有量はおよそ17%ともいわれ、健康食品などの原料に利用される。
ひっかけ
- アオイ科のウスベニアオイ、シソ科のコウスイハッカ、バラ科のイヌバラと和名を混同しない。チコリはキク科のキクニガナである。
- 強い甘みや酸味、無味無臭ではなく、ほろ苦い味わいが特徴である。
- 軟白栽培は光を当て続ける方法ではなく、光を遮ることで葉の色や味が変わる。
- 花は夜に開くのでも、一日中同じ状態を保つのでもなく、晴れた朝に開いて正午頃に閉じる。
ダンディライオン(西洋タンポポ・1級)
1級で、ダンディライオン(西洋タンポポ)の学名や名前の由来・根と若葉の利用法・茎の乳液が問われる。
要点
- 属名Taraxacumはアラビア語由来で「苦い草」を意味するとされ、officinaleは「薬用の」を意味する。
- 根を乾燥させて焙煎し、コーヒーに似た風味の飲み物(タンポポコーヒー)として利用される。
- フランス語の呼び名pissenlitは、タンポポに利尿作用があると考えられてきたことに由来するとされる。
- 英名dandelionは、葉の切れ込みがライオンの歯に似ることから、フランス語dent de lionが転訛したものとされる。
- 若葉はやわらかく、ほのかな苦味がアクセントになるため、サラダなどで食用にされる。
- 根はタンポポコーヒー、若葉はサラダやお茶、花はシロップやワインにと、部位ごとに使える全草利用のハーブである。
- 茎を折ると白い乳液(ラテックス)が出て、天然ゴムに似た成分を含み、苦味がある。
ひっかけ
- 属名の由来は「甘い花」「王の花」「太陽の光」ではなく、「苦い草」を意味するアラビア語である。
- 根は酢の代用や染料、香水の主原料ではなく、焙煎してコーヒーに似た飲み物に利用される。
- pissenlitは、花の形が寝具に似ることや発見場所、葉の香りに由来するのではない。
- dandelionは、花の色がたてがみに似ることや発見者の名字に由来するのではなく、「ライオンの歯」にちなむ。
- 若葉は有毒で食べられないわけでも、硬すぎて食用にできないわけでもない。
ジャーマン・カモミール
ジャーマン・カモミールの学名・分類・香り・花托の構造と、ローマン・カモミールとの識別点が問われる。
要点
- 学名はMatricaria recutitaで、Chamaemelum nobileのローマン・カモミールとは属からして異なる別種である。
- キク科シカギク属の一年草で、花にリンゴを思わせる甘い香りがあるのが特徴である。
- 精油が青色を帯びるのは、水蒸気蒸留の過程で前駆成分マトリシンからカマズレンが生成されるためである。
- 直立して育つ一年草で、茎が地を這うように伸びる多年草のローマン・カモミールと対比される。
- 花を縦に割ると花托の内部が中空で、中実のローマン・カモミールとの識別点の一つとされる。
- 花にはリンゴを思わせる香りがあるが葉はほとんど無香で、花にも葉にも香りがあるローマン・カモミールと区別される。
- 原産はヨーロッパから西アジアとされ、現在は北米などにも帰化して世界各地で栽培されている。
ひっかけ
- シソ科の多年草やアオイ科・バラ科と混同しない。ジャーマン・カモミールはキク科の一年草である。
- 一年草と多年草の関係を逆にしない。ジャーマンが多年草でローマンが一年草なのではなく、どちらも草本で低木でもない。
- 精油の青色は、染料や保存容器の色素、花びらそのものの青さによるものではなく、カマズレンの色である。
- 「いずれにも該当しない」ではなく、学名Matricaria recutitaにあたるのはジャーマン・カモミールである。
レモングラス
レモングラスの分類と香り成分、伝統的な利用、東インド型と西インド型の違い、栽培上の性質が問われる。
要点
- レモングラスはイネ科オガルカヤ属の多年草で、葉のシトラールによるレモン様の香りが特徴であり、東南アジア料理の香りづけに使われる。
- 香りの主成分はシトラールで、レモンバームやレモンヴァーベナなどレモン系ハーブに共通する成分でもある。
- レモングラスはインド原産とされ、アーユルヴェーダで発熱などに伝統的に用いられてきた歴史がある。
- 西インド型は学名Cymbopogon citratusで根元が白く太くなり、東インド型は学名Cymbopogon flexuosusで根元が赤く太らない。
- 東インド型はシトラールに加えゲラニオールを含み、西インド型より香りが強く、華やかな印象になる。
- 熱帯アジア原産の非耐寒性の多年草で、日本の多くの地域では冬に防寒対策が必要である。
- シトラールを含む爽やかな香りを生かし、石けんやキャンドル、虫よけをうたった製品など日用品にも利用される。
ひっかけ
- レモングラスは、シソ科の一年草で根を使うハーブではなく、イネ科の多年草で葉を利用するハーブである。
- 西インド型がCymbopogon flexuosusで東インド型がCymbopogon citratusと取り違えない。日本で料理に主に使われるのは西インド型である。
- レモングラスは氷点下でも屋外で越冬できる耐寒性の高い植物でも、つる性や水中で育つ植物でもない。
- レモングラスは、中世ヨーロッパの修道院で栽培が始まったハーブや日本原産のハーブではなく、インド原産である。
リンデン(西洋菩提樹)
リンデン(西洋菩提樹)の分類・利用部位・伝統的な使われ方と、成り立ちや文化的な背景が問われる。
要点
- アオイ科(旧シナノキ科)の樹木で、クリーム色の花と基部のヘラ形の苞葉を合わせて利用する。
- 花序を中心に利用するハーブで、ふんわりとした甘い香りがあり、心を落ち着かせたい時に親しまれる。
- ヨーロッパの植物療法では、鎮静や発汗を促す目的で風邪や不眠の際などに用いられてきたとされる。
- セイヨウシナノキ(Tilia europaea)は、フユボダイジュとナツボダイジュの自然交雑種とされる。
- 強い芳香でミツバチを引き寄せる代表的な蜜源植物で、花から採れるはちみつはヨーロッパで珍重される。
- 街路樹としても親しまれ、ベルリンの通り「ウンター・デン・リンデン」はこの木の並木に名を残す。
- 『変身物語』では、老夫婦バウキスとピレーモーンが死後に菩提樹と樫の木に姿を変えたと語られる。
ひっかけ
- サボテン科の多肉植物ではなく、根を主に使うハーブでもない。利用するのは花序である。
- シソ科・バラ科・キク科の草本や低木と混同しない。根・果実・種子ではなく、花と苞葉を利用する樹木である。
- 強い興奮作用や酸味づけが目的ではなく、鎮静や発汗の目的で用いられてきた。
- 単一の原種ではなく自然交雑種である。バラ科の二種の交雑でも、胞子でふえるシダ植物でもない。
ペパーミント
ペパーミントの成り立ち・学名と科名・主成分、繁殖や栽培の歴史、ニホンハッカとの違いが問われる。
要点
- ペパーミントは、スペアミントとウォーターミントの自然交雑によって生まれた交雑種で、学名の「×」がそれを示す。
- ペパーミントの学名はMentha × piperitaで、シソ科ハッカ属に分類される。
- 主に葉を利用し、メントールを主成分とする強い清涼感のある香りが特徴で、消化を助けるとされる。
- 交雑種で種子ができにくいため、ほふく茎(ランナー)を伸ばして殖える栄養繁殖が栽培上の主な増やし方である。
- 18世紀半ば頃から、イギリスのサリー州ミッチャム周辺が栽培の中心地として知られるようになった。
- ブラックペパーミントは茎葉が紫がかり、ホワイトペパーミントは茎葉が緑色をしている。
- ニホンハッカ(和種ハッカ)はペパーミントとは異なる種で、メントール含有量が高いことが知られる。
ひっかけ
- ペパーミントの学名は、ジャーマン・カモミールのMatricaria recutitaやレモンバームのMelissa officinalis、レモングラスのCymbopogon citratusではない。
- ニホンハッカは、ペパーミントと呼び名が違うだけの同一種ではなく、同じシソ科ハッカ属の別種である。
- ペパーミントは、根や花、果実を主に利用して香りが乏しいハーブではなく、葉を利用するハーブである。
- ブラックとホワイトの名は、花の色や白い斑入りの葉に由来するのではなく、茎葉の色の違いを表している。
ローゼル(ハイビスカス)
ローゼル(Hibiscus sabdariffa)の使用部位・赤い色と酸味のもと・分類・呼び名・栽培のサイクルが問われる。
要点
- 利用するのは、開花後に肥厚して多汁質で赤くなった萼(がく)の部分である。
- 萼にクエン酸やビタミンCを豊富に含み、ハーブティーは赤い色と爽やかな酸味が特徴である。
- アオイ科フヨウ属で、本来は多年生だが寒さに弱いため、沖縄・九州以外では一年草として扱われる。
- 萼の赤い色はアントシアニン系の色素によるもので、クエン酸の酸味とともにローゼルの特徴をなす。
- エジプトでは「カルカデ」、メキシコでは「アグア・デ・ハマイカ」、西アフリカでは「ビサップ」と呼ばれる。
- 初夏に種をまき、夏から秋に開花したのち、開花後の萼を収穫するのが一般的な栽培サイクルである。
- 原産地は西アフリカ説やインドからマレーシアにかけての説など複数あり、一つに定まっていない。
ひっかけ
- 苦味が強い、無味無臭で色付け専用、カフェインを多く含むといった説明ではない。
- 使う部位は花が咲く前のつぼみ、地中の根、種子を包む硬い莢の部分ではなく、花のあとに肥厚した萼である。
- マメ科・キク科・シソ科ではなくアオイ科であり、耐寒性が高く関東以北で屋外越冬できる植物でもない。
- 萼の赤い色は人工着色料やクロロフィルによるものではなく、アントシアニン系の色素による。
- 「アグア・デ・ハマイカ」は、レモングラスを主原料とする飲み物ではなく、ローゼルを冷やした飲料の呼び名である。
ローズマリー(1級)
1級で、ローズマリーの学名変更・植物としての特徴・属名の由来と、西洋文化での位置づけが問われる。
要点
- 従来Rosmarinus officinalisとされたが、セージと同じSalvia属に分類し直され、Salvia rosmarinusという学名も用いられる。
- 地中海沿岸原産のシソ科の常緑低木で、針状の葉を主に利用する。
- ロスマリン酸などを含み強い抗酸化作用が期待されることから、「若返りのハーブ」と呼ばれることがある。
- もとの属名Rosmarinusはラテン語の「露(ros)」と「海(marinus)」に由来し、地中海沿岸の自生にちなむ。
- 『ハムレット』でオフィーリアが「思い出のしるし」と語るなど、西洋文化では記憶・思い出のハーブとされる。
- 上に伸びる立性と地を這う匍匐性など樹形の異なる系統があり、匍匐性のものはグランドカバーにも利用される。
- ハンガリアンウォーターは最古級の香水の一つで、王妃の若返り伝説は後世の創作とする説が有力とされる。
ひっかけ
- 学名が一度も変わっていないわけでも、キク科に属するわけでもなく、セージと同じSalvia属が使われたことがある。
- 老化が止まるという科学的証明があるわけではなく、チモールの美白作用や果実のビタミンCが理由でもない。
- イネ科やクマツヅラ科、バラ科の植物ではなく、東南アジアや南米原産でもない。地中海沿岸原産のシソ科である。
- 属名は、ラテン語で「バラの香り」を意味する言葉や発見者の名字、ギリシャ語の「森の王」に由来するのではなく、露と海に由来する。
- ハンガリアンウォーターはハンガリーの温泉水や合成香料の商品名ではなく、王妃の伝説が史実と証明されたわけでもない。
バジル(1級)
1級で、バジルの語源・和名メボウキの由来・分類と、ホーリーバジルとの違い、精油の成分が問われる。
要点
- 英語名Basilは、ギリシャ語で「王」を意味する言葉に由来するという説が紹介されている。
- 和名メボウキ(目箒)は、種子が水を吸うとゼリー状になり、目に入ったゴミを取るのに使われたことに由来する。
- シソ科メボウキ属で本来は多年草だが、冬を越せないため日本では一年草として扱われることが多い。
- インドで神聖視されるホーリーバジル(トゥルシー)は、スイートバジルとは別種とされる。
- 中世イタリアには、若い女性が恋人への愛情のしるしにバジルの小枝を髪に挿す風習があったと伝わる。
- 精油にはリナロールやメチルカビコールが含まれ、産地や系統で成分比が異なる「ケモタイプ」が知られる。
ひっかけ
- 語源を「治療する」(セージ)や「苦い草」(タンポポ)と混同しない。バジルは「王」とする説である。
- メボウキの由来は、葉の形・花の色・香りの強さではなく、種子のゼリー状の物質にある。
- キク科・バラ科・アオイ科の植物ではなく、シソ科の植物である。
- ホーリーバジルは、スイートバジルと同じ植物の別名ではなく、インドで不吉とされる植物でもない。
レモンバーム(メリッサ)
レモンバームの分類と主成分、属名の由来、伝統的な利用やカルメル水、古代の使われ方、栽培上の性質が問われる。
要点
- レモンバームはシソ科コウスイハッカ属の多年草で、レモンに似た香りの主成分はシトラール(ゲラニアールとネラール)である。
- 属名Melissaはギリシャ語で「ミツバチ」を意味し、古くからミツバチを引き寄せる蜜源植物だったことに由来する。
- 神経の緊張や胃腸の不快感を和らげる目的で、伝統的に用いられてきたハーブである。
- 14世紀にカルメル会の修道女がレモンバームを主原料とする蒸留酒を作ったと伝わり、後に万能薬「カルメル水」として商品化された。
- 古代ギリシャ・ローマでは、発熱時にレモンバーム入りのワインを飲み、葉を傷の手当てに用いたと伝えられる。
- 丈夫な多年草でこぼれ種でもよく増え、庭で管理せずに放置すると広がりすぎることがある。
ひっかけ
- レモンバームはキク科やミカン科の植物ではなく、レモンに似た香りの主成分もカマズレンではなくシトラールである。
- レモンバームの伝統的な利用は、酸味を生かした調味料や着色料、強い発汗の促進が中心ではなく、神経の緊張や胃腸の不調に対するものである。
- 古代ギリシャ・ローマで、レモンバームは有毒植物として隔離されたり染料に限って使われたりしたのではなく、料理や薬草として珍重された。
- レモンバームは種子をつけず株分けでしか殖えない植物ではなく、生育が極端に遅くもない。
マロー(ウスベニアオイ・1級)
1級で、マロー(ウスベニアオイ)の色の変化・粘液質・分類・学名の語源と、マーシュマロウとの違いが問われる。
要点
- 花から出る青紫色のお茶にレモン汁を加えて酸性に傾けると、アントシアニン色素の働きでピンク色に変わる。
- アオイ科ゼニアオイ属(Malva sylvestris)の二年草で、根や花に粘液質を豊富に含む。
- 粘液質は、のどや胃の粘膜を保護する目的で伝統的に用いられてきたとされる。
- 学名malvaはギリシャ語で「柔らかい」に由来し、粘液質の粘滑・緩和作用にちなむとされる。
- 花は紅紫色で、花弁に濃い紫の筋が入り、花弁は5枚である。
- マーシュマロウ(Althaea officinalis)はマローと別種で、粘液質を含む根がお菓子「マシュマロ」の名の由来とされる。
ひっかけ
- 色が変化しない、加熱で黒くなる、着色料専用で飲用できないといった説明は誤りである。
- キク科・シソ科・バラ科ではなくアオイ科であり、粘液質がほとんどない植物でもない。
- 粘液質の用途は、強い抗菌や発汗の促進、種子油の採取ではなく、粘膜の保護である。
- マーシュマロウはマローの単なる別名ではなく、キク科の無関係な植物でもない。
ローマン・カモミール
ローマン・カモミールの学名・生育の特徴・花托の構造・歴史的な利用と園芸品種が問われる。
要点
- 学名はChamaemelum nobileで、Matricaria recutitaはジャーマン・カモミールの学名である。
- 茎が地を這うように伸びる多年草で、踏みつけに強く、芝生代わりのグランドカバーにも使われる。
- 花を縦に割ると花托の内部が中実で、中空のジャーマン・カモミールとの識別点の一つとされる。
- 八重咲きの品種は一重の基本種より香りが甘く、ハーブティー用として好まれる。
- 西ヨーロッパに自生し、16世紀のイギリスでは香りを楽しむ芝生やベンチを庭に植える文化があった。
- 花をほとんどつけず丈も伸びにくい園芸品種(トレネイグ種など)は、香る芝生として庭園に利用される。
ひっかけ
- 一年草ではなく多年草であり、毎年種から育て直す必要はない。花にも葉にもリンゴ様の香りがある。
- 花托の内部は中空ではなく中実である。ジャーマン・カモミールと同じ構造ではない。
- 高さ3メートル以上の低木、水生植物、つる性植物ではなく、地を這って伸びる草本である。
セージ(1級)
1級で、セージの安全性に関わる成分ツヨン・属名の語源・収斂の働き・外見や近縁のクラリセージが問われる。
要点
- セージのツヨンは動物実験で発作を引き起こすことが示されており、妊娠中の使用は安全とは言えないと案内されている。
- 属名Salviaは、ラテン語で「治療する・救う」を意味するsalvareに由来するとされる。
- タンニンなどに組織や血管を収縮させる収斂の働きがあるとされ、伝統的に発汗を抑える目的などで利用されてきた。
- ヨーロッパやアラビアには、庭にセージを植えた家には病気で死ぬ人がいないという趣旨のことわざがある。
- クラリセージ(Salvia sclarea)はコモンセージ(Salvia officinalis)と異なる種で、ツヨンによる影響が少ないとされる。
- コモンセージは地中海沿岸原産のシソ科の常緑小低木で、灰緑色でビロード状の細かい毛におおわれた葉を持つ。
ひっかけ
- 妊娠中でも量を気にせず摂取してよい、子宮収縮や神経系に影響する成分を含まないといった説明は誤りである。
- 属名の語源は「甘い香り」でも、バジルの語源説である「王」でもない。
- 収斂の働きは、冷やすだけ、強い眠気を誘う、清涼感の主成分といった説明とは異なる。
- クラリセージはコモンセージと同じ植物の別名ではなく、バラ科でもなくシソ科の仲間である。
スペアミント
スペアミントの主成分・名前の由来・学名と科名・和名、飲用文化や香料としての利用が問われる。
要点
- スペアミントの香りの主成分はl-カルボンで、メントールはほとんど含まれないため、ペパーミントより清涼感が穏やかで甘みを感じる。
- 名前は、葉先や花穂の尖った形が槍(スピア)に似ていることに由来するとされる。
- 学名はMentha spicataで、ペパーミントと同じシソ科ハッカ属に分類される。
- 和名は、全草が濃い緑色であることからミドリハッカといい、オランダから伝来したとされることからオランダハッカとも呼ばれる。
- モロッコには、緑茶に砂糖とスペアミントの葉を加えた伝統的なミントティーを客人にふるまう習慣がある。
- メントールをほとんど含まず刺激が少ないため、チューインガムや歯磨き粉、菓子などの香料として幅広く使われる。
ひっかけ
- スペアミントの和名はメボウキ(バジル)やイヌハッカ(キャットニップ)ではなく、ミドリハッカである。
- スペアミントの学名は、ペパーミントのMentha piperitaやレモンバームのMelissa officinalisではなくMentha spicataで、科名もキク科ではなくシソ科である。
- 名前は発見者のスピア氏やスペイン語、スピリットに由来するのではなく、槍の形に似た葉先や花穂に由来する。
- モロッコのミントティーは、紅茶とローズマリーを組み合わせたものやペパーミントの精油を使うものではなく、緑茶とスペアミントが中心である。
タイム(1級)
1級で、タイムの分類・精油成分チモール・名前の語源や歴史・レモンタイムとの違いが問われる。
要点
- シソ科イブキジャコウソウ属の総称で、代表種にタチジャコウソウ(Thymus vulgaris)がある。
- 精油にはチモールやカルバクロールが多く含まれ、強い殺菌・防腐作用があることで知られる。
- 抗菌作用のある成分を含み、伝統的にのどの痛みや気管支の不調など呼吸器系のケアに用いられてきたとされる。
- 名前はギリシャ語で香をたき供物を捧げることに関わる語に由来し、後に「勇気」の象徴ともされた。
- 古代エジプトでは、ミイラの防腐処理に用いられた植物の一つとして伝えられている。
- レモンタイム(Thymus citriodorus)は、コモンタイムと異なり柑橘系のはっきりした香りを持つ品種である。
ひっかけ
- キク科のキクニガナ、アオイ科のウスベニアオイ、レモングラスの仲間とは別で、タイムはシソ科である。
- タイムの精油の代表成分は、メントール・カマズレン・アントシアニンではなくチモールである。
- のどとの関連がない、無香で刺激が少ない、主成分が糖分といった説明ではない。
- レモンタイムは別の科の植物でも、コモンタイムの種子から育つ一年草でもなく、タイムの品種である。
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